2008-01-18

バスケットボールの指導とビジネスにおけるコーチング

ここ最近、平日は仕事。休日はバスケットボールの指導のお手伝い。

そんな生活をしていて、ふと思うことがあるんです。

スポーツの指導と仕事におけるコーチングに共通点があるよなぁと。


「ほめて育てる」だけでいいの?

よくスポーツ選手を育てるときに「ほめて育てる」っというお話がありますが、これはごもっともだと思います。

ビジネスにおいても同様のことがいえるなぁと感じるときもあり、しばらく「ほめて育てる」を実践していた。つもりでした・・・

「否定的な話だな」と思う方もいるかと思いますが、実はただ「ほめて育てる」だけでは、選手も、社員も育たないということ。

何かできたからほめるというのは、場合によっては逆効果になり、「うぬぼれ」や「過信」につながるのです。


「目的」や「目標」は設定している?

「ほめて育てる」ことは大変良いことです。

しかし、それは手段であり、「ほめて育てる」を実践するには、まず「ビジョン」や「目的」、「目標」といったものを明確にして共有しなければ、「ほめる」ことの効果はないのです。

つまり、何らかの「目指すべきもの」、あるいは「将来のあるべき姿」を描き、それを実現するための指導の手段が「ほめて育てる」ということ。

たとえばバスケットボール選手を指導することを想定した場合。
  • ビジョン:日本代表選手になり、世界選手権に出場し、優勝する。
  • 目的:地区でNo1のプレイヤー(チーム)になる
  • 目標:冬に行われる新人戦ではベスト4になる(チーム)。
    1試合15得点以上、大会での得点No.1になる(プレイヤー)
こうしたことを、指導する人と、指導される人が、情報として共有し、納得しなければいけません。


さらに、可能であれば具体的に
  • 「何を」(シューティングを行う)
  • 「いつ(までに)」(毎回、練習後)
  • そして「実践できた結果どのような状態になっているのか」(100本中80本の成功率になる)
を、最終的な目的、目標を達成する時期から逆算して、期間を明確にしてスケジューリングすることが必要です。


こちらも、状況によっては指導する人が明確にしておき、指導される側につたえずに、個人個人のレベルに合わせて指導することもあります(特に小学生の低学年の場合)。

しかし、できればプレイヤー一人ひとりと話し合い、共有することが望ましいです。

可能であれば、どこかに具体的な内容を模造紙なんかに書いて貼っておくと、可視化された内容を常に見ることで、潜在意識にそれぞれの内容がインプットされるので、達成効果が出やすくなります。

これで「ビジョン」、「目的」、「目標」、具体的な「行動計画」の指標にあわせた練習メニューを作ったり、練習試合を組んだりすることができるようになります。

特に、達成時の結果イメージにおいては、数値化しておくと、当初の設定と実際の差異が明確になり、さらに改善や修正点、あるいは目標の見直しにも役立つことになります。


「ほめて育てる」の基準

「ビジョン」、「目的」、「目標」、具体的な「行動計画」が明確になったら、次は「ほめて育てる」の実践です。

しかし、ただ「ほめて育てる」というのではなく、「ビジョン」、「目的」、「目標」、具体的な「行動計画」の指標に照らし合わせて、成功したときには「ほめる」ということになります。

しかも、「何が」、「どのように」成功したのか、あるいは達成できたかを話してあげること。

そして、次の達成指標となる目標を明確に伝えてあげることが大事です。

つまり、達成したことによる「ほめられる」という喜びをプレイヤーに体感させ、さらに次の目標を設定することで、さらにもう一度「ほめられる」という喜びをモチベーションに練習に取り組ませることがポイントです。

こうすることで、小さなステップアップが継続的に行われることで、最終的にプレイヤーのスキルアップにつながるということです。


「ほめて育てる」+α

ただ、「ほめて育てる」だけで、プレイヤーはスキルアップできるのでしょうか?

失敗したときには「しかる」ということも必要でしょう。

「しかる」という行動にも「怒鳴る」のような態度は、選手が萎縮してしまうだけで効果が出ないのは想像が付くかと思います。

「しかる」ときも、「どこから」「どこまで」、あるいは「どこ」と「どこ」が良くて、「どこ」を直す必要があるのかを話す必要があります。

このとき、一方的に話すだけでなく、問いかけることも必要です。

プレイヤーに問いかけをすることにより、プレイヤー自身が考え、問題解決するスキルを身につけることができれば、ゲーム中ベンチから指示を出すだけでなく、自分の力で解決することもできるのです。

また、プレイヤーの答えに対して否定することなく、ほかのアイデアを提示するという形で指導したり、さらにもっと良い解決方法がないかを問いかけたりすることで、プレイ自体に幅が広がるだけでなく、創造的なプレイも生まれてくることになります。

最終的には、自発的に問題や課題を考え、解決案を作り出し、指導者に相談してくるようになるとベストな形でしょう。

付け加えるとすると、未経験者や経験が浅いプレイヤーに対しては、理論的にどのようにすればよいのか、またそうすることでどのような効果、プレイができるようになるのかを教えることも必要です。


簡単に書いてしまいましたが、ビジネスの場合は、こうしたことが実践されていると思います。

リマインドの意味もこめて、書いていますが、こうしたプロセスがあって、はじめて「ほめて育てる」ことで成果が現れてくるものです。

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